2014年、動画はどうなるか、3つの分類と稼ぎ方

2014年はウェブ上での動画コンテンツが伸びるということがいたるところで言及されています。前回の記事(マーケティングのイベントに行ってきました。 - ほぼ日刊の雑記)の中にもあるように東洋経済オンラインの佐々木さんも、今年は動画に取り組むということを示唆しています。海外では去年から動画メディアの伸びがあるようで、VineVine)や、Upworthy(アップワーシーUpworthy)、TomoNews(トモニュース | CGアニメで伝える動画ニュース-TomoNews)、Snapchatなどは日本でも話題と利用者の広がりを見せています
では本当に今年、動画メディアやコンテンツがウェブで広がるのでしょうか。動画といってもどのような動画がどのように伸びるのか、考えてみます。

・Web上の動画メディア3分類
まず、現在の動画メディアを3つに分類してみます。1つ目はYouTubeに代表されるプラットフォームとして不特定多数の利用者から投稿された動画を扱うプラットフォーム型。2つ目がコンテンツを独自のコンセプトで作成し、配信するコンテンツメーカー型(コンセプト型?)、最後に外部で作成された動画を集め、タイトルなどを編集したキュレーション型です。

これらはそれぞれ、
プラットフォーム型=YouTubeustream、ニコ生(niconico(ニコニコ))など。

コンテンツメーカー型=TomoNews、Schoo - 大人たちがずっと学び続ける生放送コミュニティなど。

キュレーション型=Upworthyや、最近日本で出てきたものでは、刺さる動画メディア – dropoutBuzzLive! (バズライブ) - 野球、サッカー動画などに分けられそうです。


・広告で稼ぐか課金で稼ぐか
こうした中で最も注目を集めているのはバイラルメディアとして急激なPVの伸びを見せているキュレーション型のメディアでしょう。特に今、Upworthyは様々なメディアで話題です。主にSNSなどで拡散させることを狙い、多くの訪問数をたたき出しています。
こうしたバイラルメディアの収益源は主に広告だそうです。バナー広告のみではなくPR記事のように記事自体を広告としたスポンサードコンテンツ、ネイティブ広告の形をとり収益を増やしています。おそらくバイラルメディアとして立ち上げられた日本のdropoutやbuzzliveも広告を主な収益源としていくのではないかと思います。またキュレーターの質と量にもよりますが、参入が容易なため多くのサービスが立ち上がり、競争が激化していくことも予想されます。

対してWebで動画を作成し配信していくWebメディアのメーカー型は、独自の動画コンテンツを所有するという強みを持ちます。TomoNewsではCGアニメを制作し、短くまとめたニュースを配信しています。こちらの記事でも紹介されています。実写+CGアニメ=わかりやすいニュース「TomoNews」、アジアから本格参入|WIRED.jp
日本で課金でのマネタイズに挑戦している動画メディアとしてはschooがあげられます。schooは学校の授業のような形式で生放送の授業を離れたところでみんなで受けられるというサービスです。以前は収入はないと述べられてました。

■ビジネスモデルが気になります
■スクーって、いわゆるNPO的なアレですか?
現在、schoo WEB-campus に収益機能は全く装着されていません。
(利益0です。むしろマイナスです)
http://ameblo.jp/kenshiro1014/entry-11127545229.htmlより抜粋

ただ現在は録画の授業が見放題などの特典が受けられるようになる月額525円のサービスを行っているようです。

こうした姿から、まとめた記事をシェアやイイネなどで拡散させていくキュレーション型のメディアは広告で、コンテンツ作成能力がありコンテンツを蓄積できるメディアは課金を中心にマネタイズしていくことになるかもしれません。


・出版社や新聞社よりも、優れた映像をもつ組織が動画メディアでは有利?
こうして考えると、文字を中心に発信してきた出版社や新聞社よりも、独自の映像コンテンツをより蓄積しているメディアの方がWebでの動画発信競争において有利に思えてきます。
たとえば上記のschooのことを考えると、一つひとつの録画授業に値段を設けて、講師の人がテレビや雑誌、ブログなどのWebコンテンツで話題になったときに販売を押し出すなどすると面白いかもしれません。映像で授業を行う予備校がWebに参入し、1,2講義のみ無料で、その後は課金してもらうなどのシステムや、TED(TED Talks)のような質の高いコンテンツを多く保有している組織が映像をパッケージにしてWebで販売するのも考えられます。(TEDはおそらくやらないでしょうが…)

動画にしても、独自で面白いコンテンツを自分たちでつくるか、既存の動画の流通経路をSNSを利用して増やしたり、付加価値をつけていくことが重要に思えます。
2014年様々な動画のサービスが生まれることに期待します。

※参考記事
2014年は動画が来る? 今からチェックしておきたい海外の動画ニュースサイト3選 - メディアの輪郭