マーケティングのイベントに行ってきました。

昨日1月12日にあるマーケティング関係のイベントに参加してきました。
詳細はこちら→【※受付終了※定員140名】超豪華ゲスト4名!お正月だよマーケティング大学!ライフネット生命・出口CEO、すかいらーく・河南順一CEOオフィス広報GD、東洋経済オンライン・佐々木編集長、MarkeZine・押久保編集長の4名によるスペシャルトークイベト

ゲスト登壇者はライフネット生命出口治明さん、元・Apple日本法人 マーケティングコミュニケーション部長で現在はすかいらーくの河南順一さん、東洋経済オンラインの佐々木紀彦さん、そしてMarkeZine(マーケジン)の押久保さん。超豪華です。
聞いた内容をほんの少しだけまとめてみます。

「信頼されるには発信し続けるしかない」-出口さん
生保をネットで売るのは、相当な信頼を得なければできないこと。そして「信頼のためには発信し続けるしかない」という出口さん。生保というのは契約から相当長い期間付き合っていくことになるという特徴からネット生保は過去なかなか出てこなかったそうです。たしかに、家や車など数年、数十年付き合っていくような買い物ってネットじゃ不安ですよね。。

そんな生保をネットで売るために、。出口さんは「10人以上集めてもらえばどこでも行きます」と、自身が外にでて発信し続けているのだそうです。そこでライフネット生命について知ってもらい、信頼に繋げる。また会社の名刺を束のように持ち運んで、配るんだそう。これは、その後の口コミのハードルを下げるために行っているとのこと。口コミで話してもらうよりもカードを見せたり渡したりする方が楽ですからね。そこらへんは口コミなんてなかなかしてもらえないということをしっかりわかっているということが感じられます。

僕自身はライフネットは“わかりやすい”というところが1番のコアバリューなのかなと感じました。出口さん自身がとても素直でわかりやすいと感じる話し方をされます。
あとはライフネットの広報は変わったものが多いので有名です。たとえば、値段が書いてあるお皿に豆をいれて、ハトが食べた豆の生命保険に入る企画や、混ぜまくった納豆を食べる(?)企画、さらに出口さんがいろいろな格好をした画像がネットを探すと出てきます。
こうした企画、出口さんは当日まで内容を聞かないそうだ。なぜなら意味がわからなくて怒ってしまうから(笑)社員がハトの企画を持ってきたときに「お前はアホか」と言ったら「アホは出口さんです」と言われたエピソードは有名です。
仕事をしたら“生保”ができた(後編):社長の私が、20代の社員に「アホ!」と言われた――なぜ? (1/5) - ITmedia ビジネスオンライン

こうした若者世代の感覚を押さえつけることがないような仕組みをつくっている点がライフネット生命マーケティングの極意なのかなと思いました。
出口さんが若手の社員に任せて自分は企画を一切聞かないのに対しすかいらーくの河南さんは、アップル時代のスティーブ・ジョブズマーケティングについて「彼の要求がすべて」ということを言及しています。
これはスティーブ・ジョブズ自身のマーケティングセンスと米国の特徴であるトップダウンが生かされているのかなと感じます。

ブランドを利用した発信とブランドを1からつくる発信
今回参加した東洋経済オンラインの佐々木さんは、昨年11月から編集長になり、サイトも一新。リニューアル後の今年3月には、PCとスマートフォンスマホ)を合わせて月間5300万PVを突破させた人物です。その中で重要な決断だったというのが、「紙とネットを切り離し、外部の書き手を増やすこと」でウェブオリジナルコンテンツを増やすということでした。出版社・新聞社の傾向としてはウェブメディアをつくるときにどうしても既存の紙コンテンツ(雑誌や書籍)の転用など、紙に引きづられてししまうところがある。しかしアメリカの調査によると、ウェブはウェブでコンテンツをつくったほうが読者に受け入れられているそうです。こうした取り組みも、週刊東洋経済というブランドが存在し、名前が認知されていることがPVの増加につながっているのかなと思います。

そういった点ではマーケジンの押久保さんは「(マーケジンの)ウェブサイトをつくってから、誰も検索してくれない、検索されるはずがないことに気づいた。だって世の中になかったもの、認知されてないものをつくったわけだから」とおっしゃっていました。認知されているブランドをもっていない中で、マーケジンはライブドアやヤフーといった外部の拡散力のあるところで取り上げられることで補っていったそうです。このように広めていったマーケジンやライフネットでは0から広げていくマーケティング東洋経済オンラインではブランドというリソースを利用したマーケティングの参考になるのではないかと思います。

次は動画コンテンツ?
現在ウェブメディアで大きなインパクトを残しているののが、バイラルメディアとよばれるSNSで拡散されていくメディアです。バズフィードやアップワーシーといった海外メディアが伸びてきています。そして佐々木さんいわく今年はウェブ上の動画コンテンツにづくりに注目がいくんじゃないかと。東洋経済オンラインでも今年動画コンテンツが出てくるということも示唆していました。(佐々木さんが出口さんへ出演して欲しいと伝え、また佐々木さんが保険に加入していないことをいうと、すかさず出口さんが家族構成を聞いていたところが面白かったです)

台湾発のtomonews(トモニュース | CGアニメで伝える動画ニュース-TomoNews)などウェブで動画メディアが来るというのは昨年末あたりからも言われていました
こうした取り組みに出版社である東洋経済オンラインが参入するのも楽しみです。

ちなみに動画コンテンツだとSchoo - 大人たちがずっと学び続ける生放送コミュニティがお気に入りなのですが、ちゃっかり今月の授業に出口さんが登場されますね。

炎上しないためには普段の振る舞いが大切
最後の「ソーシャル×マーケティング」というテーマの中で、出口さんへ「炎上しないために気をつけていることはあるんですか?」という質問。出口さんの回答は「気をつけていることはない」ということでした。
ソーシャルメディアで炎上することって、結局リアルの場においても「悪い」ことなんですよね。飲酒運転にせよアイスケースにせよ死ねなどの悪口にせよ。

出口さんはおそらく普段の生活から炎上するようなコミュニケーションや行動をしていないんですよね。だからそれがウェブに移ったところで、振る舞いさえ変えなければ気をつけることなんてないということになるんでしょう。
普段の振る舞いを気をつけることと、ウェブだからといって振る舞いを買えないということ。
この2点が炎上しないための行動になるんじゃないかと思います。