大人が言う「好きなだけじゃできない」について

タイトルにもあるように、大人はよく、「好きなだけじゃできない(続かない)」ということを言います。

特に、
服が好きだからショップ店員になりたい、ファッション業界で働きたい!

本が好きだから本屋さんや出版社で働きたい!小説家になりたい!

鉄道が好きだから、車掌さんになりたい!鉄道業界で働きたい!

旅行が好きだから、旅行代理店で働きたい!

など、まだまだいろいろあると思います。


大抵、この手の相談をすると、「好きなだけでやり続けられるような、そんな甘いもんじゃない」というようなことを言われます。もしくは、背中を押すようなことを言ってはくれるのですが、心の中では「無理だろうなぁ、厳しいだろうなぁ」と感じていると思います。




ぼくは幸運にも、出版社への切符を手にしたのですが、今思い返すと「本が好き」なだけで出版業界に入ろうとしていたわけではなかったなぁと思います。


ぼくは、ぼく自身があまりすごい人間じゃないことを知ってます。勉強は平均かそれ以下、球技は苦手。字や文章は上手くないし絵も歌も下手くそ。なにかを自分の内側から生み出すこと、自分の手でなにかをつくるということが本当に苦手です。



ですが、ぼくの外側に目を向けると、すごい!!と思える人やものであふれていました。
その後ぼくは、そのすごい人やものを誰かに届けて、なんらかの反応を得ることが大好きなのだと気がつきました。

ohtaの服が好きで、てらに紹介したら全身ohtaの服を着ていてくれたり、耕介に、『採用基準』を勧めたらすごい面白かった!って言ってもらったり、めぐに、『世界から猫が消えたなら』を貸し出したら、泣けた〜って反応してくれたりしました。


こうやって、ぼくの外側にあるすごい人やものを誰かにつなげて、反応してもらう。

これが、ぼくの求めていたものだと自覚しました。


「好きなだけじゃできない、続かない」という大人はおそらく正しいです。
服が好きなだけでファッションの仕事はできません。本が好きなだけでは出版の仕事はできません。

ぼくらは、それを発信した先にある、誰かの喜ぶ姿を求めているのだと、思うのです。

だから、自分がなにをしたいのか、考えるときには、
「どんな人を、どんな風に喜ばせてあげたいのか」

これを一度考えてみてください。

※この記事は19歳の頃の自分に向けて書いてあります